この記事の結論
- カッターマット・定規・ハンマー・ボンド・紙やすり・目打ち・革用の手縫い針など、「切る・貼る・整える」ための道具は100均で代用しやすい
- 菱目打ち・ゴム板・蝋引き糸・コバ処理剤・本革は、100均では見つけにくいか仕上がりに差が出やすく、専用品を用意したほうが失敗が少ない
- 革包丁は最初は買わなくてよく、100均のカッターでも刃をこまめに折れば十分に代用できる
- 100均と専用品を組み合わせた場合の目安は5,400〜8,500円前後で、100均の品揃えは店舗や時期によって大きく変わる
レザークラフトに興味を持って道具を調べ始めると、「できれば100均で揃えられないかな」と考える方は多いのではないでしょうか。
実際、ダイソーやセリアの手芸・文具・工具コーナーを探すと、レザークラフトにそのまま使える道具が見つかることも少なくありません。
この記事で挙げる具体的な商品名と価格は、公式ネットストアで掲載を確認できたダイソーの商品を中心にしています。
一方で、100均では見つけにくい道具や、安さを優先すると作品の仕上がりに響いてしまう道具があるのも事実です。
この記事では、100均で代用しやすい道具と、専用品を用意したほうがいい道具を、それぞれの理由とあわせて整理しました。
道具全体の役割や、専用品だけで揃える場合の一覧は、レザークラフトに必要な道具一覧、最初に揃えたい基本セットで紹介しています。
100均で揃う道具・揃わない道具、まずは全体像
レザークラフトの作業は、大きく「切る」「穴をあける」「縫う」「整える(仕上げる)」の4つの工程に分かれます。
100均で代用しやすいかどうかは、この工程ごとにかなりはっきり分かれます。
| 工程 | 100均で代用しやすいもの | 専用品を用意したいもの |
|---|---|---|
| 切る | カッター、カッターマット、定規 | なし(革包丁は慣れてからでよい) |
| 穴をあける | ハンマー、目打ち(印つけ用) | 菱目打ち、ゴム板 |
| 縫う | 革用の手縫い針、ボンド、仮止め用のクリップ | 蝋引き糸 |
| 整える | 紙やすり | コバ処理剤(トコノールなど) |
| 材料 | 練習用の合皮 | 本革 |
ひと言でまとめると、文房具や工具として一般的に使われている道具は100均で揃いやすく、レザークラフト専用に作られた道具ほど100均では見つけにくいという傾向があります。
「穴をあける」と「縫う」の工程は専用品が中心になり、「切る」と「整える」の工程は100均の道具でかなりの部分をまかなえる、というイメージを持っておくと買い物の計画が立てやすくなります。

100均で揃えやすい道具
切る道具、カッター・カッターマット・定規
革の裁断は、最初のうちは普通のカッターナイフで十分に対応できます。
100均のカッターでも切れ味に大きな問題はなく、大事なのは刃先が少しでも鈍ったと感じたら、こまめに折って新しい刃で切ることです。
切れ味の落ちた刃のまま力を入れると、切り口がガタついたり、刃が滑って定規からはみ出したりする原因になります。
カッターマットは、ダイソーの公式ネットストアでA4サイズ(30×22cm)が220円、B4サイズ(37×26cm)が330円で掲載されています(いずれも税込、2026年9月時点)。
キーホルダーやカードケース程度ならA4サイズでも作業できますが、革を広げたまま型紙を当てて切ることを考えると、ひと回り大きいB4サイズのほうが余裕を持って作業できます。
定規は、刃が当たる縁が金属になっているものを選ぶと、カッターで定規そのものを削ってしまう心配がありません。
ダイソーでは、アクリル製の本体の縁にステンレスが入った約31cmの直線定規が110円で掲載されています。

まっすぐ切るための刃の角度や定規の当て方は、革のまっすぐな切り方、初心者でもきれいに裁断するコツで解説しています。
貼る道具、ボンド・ヘラ・クリップ
縫う前にパーツ同士を仮止めするボンドも、100均の手芸・工作コーナーで見つかります。
たとえばダイソーでは、布や皮にも使える水性の「手芸ボンド」と、クロロプレンゴム系の「ゴム・革用接着剤」が、どちらも110円で掲載されています。
水性タイプはにおいが少なく貼り直しがしやすい一方、ゴム系は貼り合わせた直後から強くくっつくという違いがあります。
ゴム系の接着剤は有機溶剤を含んでいるため、使うときは窓を開けるなどして換気しながら作業してください。
接着剤の種類ごとの向き不向きは、レザークラフトの接着剤、何を使えばいい?選び方とよくある失敗で比較しています。
ボンドを薄く塗り広げるヘラや、貼り合わせたパーツを押さえておくダブルクリップも、100均の文具・工作コーナーで揃えられます。
叩く・磨く道具、ハンマー・紙やすり・目打ち
菱目打ちを叩くハンマーは、専用の木槌でなくても、打面が樹脂や木でできたものであれば代用できます。
ダイソーでは、ポリプロピレン製の「プラ製ハンマー」が110円で掲載されています。
金属製のかなづちは、菱目打ちの頭を傷めやすいため避けたほうが無難です。
コバ(革の切り口)を整える紙やすりも、100均で揃えやすい道具の代表です。
ダイソーでは、#60から#1000までの6種類の番手がセットになった紙やすりが110円で掲載されており、コバの形を整えるのに使いやすい240〜400番前後もこれ1つでまかなえます。
目打ちは、型紙の角の位置を革に印したり、細かい部分の作業を手伝ったりする場面で活躍します。
ダイソーの手芸コーナーにも110円の目打ちがありますが、先端が円錐形のため、縫い穴そのものをあける道具としては向いていません。

縫う道具のうち100均で揃うもの、革用の手縫い針
手縫いに使う針は、先端が丸く加工された革用の針を選びます。
ダイソーでは「革用手縫針(丸針)」が110円で掲載されており、太さの違う2種類(直径1.02mmと1.15mm)が2本ずつ、計4本入っています。
サドルステッチは1本の糸の両端に針をつけて縫う縫い方なので、同じ太さの針が2本ずつ入っているのは使いやすい構成です。
縫い方の手順は、手縫いの基本、サドルステッチのやり方をわかりやすく解説で紹介しています。
金具の付け方はバネホックの付け方、初心者がつまずきやすいポイント、スタンプでの代用も含めた刻印の入れ方はレザークラフトの刻印、初心者でもできるアルファベットの入れ方とコツで詳しく扱っています。
専用品を用意したほうがいい道具と、その理由
菱目打ち、100均の目打ちでは代わりにならない
菱目打ちは、ひし形の刃が等間隔に並んだ、手縫い用の穴をあけるための道具です。
2026年9月時点で、ダイソーの公式ネットストアで「菱目打ち」を検索しても該当する商品は見つからず、100均の店頭でも見つけにくい道具の代表です。
手芸用の目打ちで1穴ずつあける方法も考えられますが、円錐形の先端であけた丸い穴は間隔や並びがそろいにくく、縫い目が曲がって見えやすくなります。
菱目打ちであけた穴は、ひし形の向きがすべて同じ方向にそろうため、糸が一定の角度で斜めに並び、レザークラフトらしい整った縫い目に仕上がります。

また、通販で見かける極端に安い菱目打ちの中には、刃の表面の仕上げが粗く、革に刺さったあと抜けにくいものがあるという報告もあります。
抜くたびにこじることになると穴の周りが荒れやすいため、菱目打ちだけは価格より品質を優先して選ぶのがおすすめです。
単品なら1本500〜1,500円程度から見つかり、直線部分に使う2〜4本目打ちと、カーブ部分に使う1本目打ちの2種類があれば、多くの作品に対応できます。
打ち方の基本やピッチ(穴の間隔)の選び方は、菱目打ちの使い方、穴あけの基本とコツで解説しています。
ゴム板、穴あけの打ち台は専用品が安心
菱目打ちで穴をあけるときは、革の下にゴム板を敷いて、貫通した刃先を受け止めます。
専用のゴム板は、刃先を傷めにくい硬めのゴムでできていて、小サイズ(22×15×2cm程度)なら1,000〜1,700円前後で販売されています。
カッターマットの上でそのまま菱目打ちを打つと、刃先がマットに深く刺さってマットが傷むため、打ち台は別に用意しておきましょう。
蝋引き糸、手芸用の糸では強度が足りない
革の手縫いには、糸にろうを染み込ませた「蝋引き糸」を使います。
ろうが付いていることで糸が穴を通りやすくなり、1目ずつ締めたときに緩みにくくなるのが、普通の糸との大きな違いです。

100均で売られている一般的な手縫い糸やミシン糸は、布を縫う前提の太さのため、革を縫うと強度が足りず切れやすくなります。
100均で蝋引き糸を見かけたという購入報告もありますが、店頭に常にあるとは限らず、色や太さの選択肢も専門店ほど多くありません。
専用品でも、糸巻き1個(20〜30m)で600〜1,000円程度と手頃で、キーホルダーのような小物なら数十個分を縫える量があります。
コバ処理剤、水だけでは仕上がりに差が出る
コバ処理剤は、革の切り口に塗って磨くことで、毛羽立ちを抑えてツヤのある切り口に仕上げるための薬剤です。
定番の「トコノール」(誠和)をはじめとする専用の処理剤は、100均では見つけにくい部類に入ります。
水をつけて磨くだけでもある程度は整いますが、処理剤を使った場合と比べると、ツヤの出方や毛羽立ちの抑え方に差が出やすくなります。

トコノールは120gで1,000円前後と、小物作りなら長く使える量が入っています。
やすりがけから磨きまでの手順は、コバ処理の仕方、きれいに仕上げるやすり・磨きの手順で紹介しています。
本革、100均の革は練習用と割り切る
本革の小さな切れ端は、ダイソーやセリアで販売されていたという報告があるものの、置いていない店舗も多く、いつでも手に入る材料ではありません。
100均で見つかりやすい合皮(合成皮革)は、本革とは伸び方や針の通り方が異なり、コバを磨いて仕上げる練習にも向きません。
本革で練習したい場合は、材料店や通販で売られているはぎれ革の詰め合わせを使うと、150gで600円前後のものもあり、量のわりに手頃な価格で手に入ります。
本革と合皮の見分け方は、牛革・豚革・合成皮革は何が違う?初心者向けの見分け方と選び方で解説しています。
革包丁は、最初は買わなくていい
専用品が必要そうに見えて、実は後回しにできるのが革包丁です。
革包丁は刃の重みを活かして切る道具で、使いこなすには研ぎや持ち方にある程度の慣れが必要です。
最初の数作品はカッターで十分に作れるので、「もっと厚い革をきれいに切りたい」と感じてから検討しても遅くありません。
100均で揃えるか迷ったときは、「作品の見た目に直接残る道具かどうか」で判断すると分かりやすくなります。
縫い目の並びを決める菱目打ち、縫い目そのものになる蝋引き糸、切り口の仕上がりを左右するコバ処理剤は、専用品を選んだ差がそのまま作品に表れます。
100均と専用品を組み合わせた場合の費用の目安
100均で揃う道具と専用品を組み合わせた場合に、どのくらいの金額になるのかを試算してみます。
100均の道具はダイソー公式ネットストアの掲載価格(税込、2026年9月時点)、専用品は一般的な通販価格の目安で計算しています。
| 道具 | 購入先 | 価格の目安 |
|---|---|---|
| カッターマット(B4) | 100均 | 330円 |
| カッター | 100均 | 110円 |
| 定規(ステンレス入り) | 100均 | 110円 |
| プラ製ハンマー | 100均 | 110円 |
| ボンド | 100均 | 110円 |
| 紙やすり(6枚セット) | 100均 | 110円 |
| 目打ち | 100均 | 110円 |
| 革用の手縫い針(4本入) | 100均 | 110円 |
| ダブルクリップ | 100均 | 110円 |
| 100均の道具の小計 | 1,210円 | |
| 菱目打ち(2種類) | 専門店・通販 | 1,000〜3,000円程度 |
| ゴム板(小) | 専門店・通販 | 1,000〜1,700円程度 |
| 蝋引き糸(1巻) | 専門店・通販 | 600〜1,000円程度 |
| コバ処理剤(トコノール120g) | 専門店・通販 | 1,000円前後 |
| 本革のはぎれ(詰め合わせ) | 専門店・通販 | 600円前後 |
| 専用品の小計 | 4,200〜7,300円程度 | |
| 合計 | 5,410〜8,510円程度 |
100均で揃えられる道具は9点でも1,210円に収まり、全体の合計はおおよそ5,400〜8,500円前後が目安になります。
カッターや定規、クリップのように家にある文房具で代わりが利くものを除けば、100均で買い足す金額はさらに小さくなります。
一方で、専用品が必要な部分がどうしても残るため、「100均を使えば数百円で始められる」というほど極端に安くなるわけではない点は知っておきたいところです。
初心者向けの工具セットは5,000円〜1万5,000円程度の価格帯が多いため、100均を組み合わせる方法は、セットの中でも手頃な価格帯のものと同じくらいに収まるイメージです。
「とにかく最初の1個を最小の予算で試したい」という場合は、革と道具がセットになった入門キットという選択肢もあり、予算別の考え方はレザークラフトの初期費用はいくら?予算別に必要なものを解説で詳しく解説しています。
100均で道具を探すときの注意点
店舗や時期によって品揃えが大きく違う
100均の商品は入れ替わりが早く、同じチェーンでも店舗の規模によって置いている商品が異なります。
ネットストアに掲載されていても店頭には置いていない場合があり、反対に店頭でしか見かけない商品もあります。
買い物リストを作るときは「この店で全部揃える」と決め込まず、見つからなかった道具は専門店や通販で補う前提にしておくと、無駄足を減らせます。
売り場が手芸・文具・工具コーナーに分かれている
レザークラフトに使える道具は、ひとつの売り場にまとまっているとは限りません。
針や目打ち、手芸ボンドは手芸コーナー、カッターや定規、クリップは文具コーナー、ハンマーや紙やすりは工具・DIYコーナーに並んでいることが多いので、売り場を横断して探してみてください。
あらかじめ「どのコーナーで何を探すか」をメモしておくと、広い店舗でも短時間で回れます。
この記事で紹介した100均の商品名・価格は、2026年9月時点の情報です。
商品の入れ替えや価格の改定で変わることがあるため、購入前に店頭やネットストアで最新の情報を確認してください。
まとめ
100均で揃えやすいのは、カッターマットや定規、ハンマー、ボンド、紙やすり、目打ち、革用の手縫い針といった「切る・貼る・整える」ための道具です。
一方で、菱目打ち・ゴム板・蝋引き糸・コバ処理剤・本革は、100均では見つけにくいか仕上がりの差が出やすいため、専用品を用意したほうが結果的に遠回りになりません。
全部を100均で済ませようとするより、「作品に跡が残る道具は専用品、それ以外は100均」と割り切って組み合わせるのが、費用と仕上がりのバランスが取りやすい揃え方です。
集合住宅で菱目打ちを叩く音が気になる方に向けた対策は、「マンション・アパートでレザークラフト、作業スペースと打ち音の騒音対策」の記事で整理しています。







コメント