この記事の結論
- ハトメは革の穴の縁を補強しながら紐やカンを通すための金具で、カシメと違い中央が貫通している
- サイズは「ハトメ本体の型番」と「ハトメ抜きの号数」という2つの数字体系があり、内径のミリ表記で対応を確認しながら選ぶ
- 打ち方はハトメ抜きで穴をあけ、専用の打ち具と木槌で少しずつ圧着する流れが基本
- 失敗の多くは打ち具のサイズ違いと位置決めのズレなので、本番前の試し打ちが安全策になる
財布のストラップホールやノートカバーの綴じ紐穴など、革に開けた穴の縁を補強しながら紐を通したいときに使うのがハトメです。
菱目打ちやバネホックと並んで、レザークラフトの作品作りでよく登場する金具のひとつです。
見た目はシンプルですが、サイズ選びと打ち方にはいくつかのコツがあり、初心者が最初につまずきやすい工程でもあります。
この記事では、ハトメの種類とサイズの選び方、基本の打ち方の手順、初心者がつまずきやすいポイントを整理してお伝えします。
ハトメとは、どんな金具か
ハトメは、中央に穴が貫通したリング状の金具で、革や布に開けた穴の縁を補強する役割を持っています。
革の穴に表側からリング部分を差し込み、裏側から専用の打ち具で圧着して固定する仕組みです。
裏面にも座金を使うかどうかによって「片面ハトメ」「両面ハトメ」の2タイプに分かれます。
穴が中央まで貫通しているため、紐やコードをそのまま通す用途に向いているのが特徴です。
似た見た目の金具に「カシメ(リベット)」がありますが、カシメは中央に穴が貫通しておらず、革のパーツ同士を恒久的に固定する用途で使われる点が異なります。
ノートカバーの綴じ紐穴、財布のストラップホール、バッグの持ち手の取り付け穴など、紐や金具を通しながら穴の強度を保ちたい場面で幅広く使われています。

ハトメの種類とサイズの選び方
用途で選ぶ、紐通し用と丸カン用の違い
ハトメには、細い革紐や靴ひもを通すためのシンプルなタイプと、丸カンやDカンなどの金具を通すために内径を大きくとったタイプがあります。
紐通し用は内径が小さめで、座金も控えめなサイズのものが中心です。
丸カンを通す穴に使う場合は、丸カンの線径(金属パーツ自体の太さ)がハトメの内径を通り抜けられるかを事前に確認しておく必要があります。
装飾目的で使う小さめのハトメ(アイレットと呼ばれることもあります)もあり、強度よりも見た目のアクセントとして使われます。
片面ハトメと両面ハトメ、どちらを選ぶか
ハトメには、打ち込むと裏面が放射状に広がって固定される「片面ハトメ」と、座金という別パーツで表裏をきれいに挟み込む「両面ハトメ」の2タイプがあります。
作品の裏側が人目に触れない場所であれば片面ハトメで十分ですが、ベルトループやネームタグのように表裏どちらも見える作品には、仕上がりがきれいな両面ハトメが向いています。
両面ハトメは座金の分だけパーツが増えるため、片面用とは別に専用の打ち具のセットが必要になります。
座金を挟み込む厚みの分だけ、革の厚みにも余裕を持たせておく必要がある点も、片面ハトメとの違いです。

サイズ表記(号数)の読み方
ハトメのサイズ表記には、実は「ハトメ本体の型番(No.300、No.500など)」と「ハトメ抜き(穴あけポンチ)の号数」という2つの数字体系があります。
この2つを混同してしまうのが、サイズ選びで最初につまずきやすいポイントです。
たとえば本体側の「No.300」は、対応するハトメ抜きでは「15号」にあたり、同じサイズを指していても呼び方がまったく違います。
番手の数字は単純な大小関係ではないため、型番やハトメ抜きの号数の数字の大小だけでサイズを判断してはいけません。
号数と内径の対応はメーカーによって差があることも珍しくないため、購入前に商品ページのミリ表記(内径◯mm)を必ず自分の目で確認することが、失敗を防ぐ唯一確実な方法です。
ハトメ本体の型番と、対応するハトメ抜きの号数の組み合わせをいくつか押さえておくと、道具選びで迷わずに済みます。
| ハトメ本体の型番 | 内径の目安 | 対応するハトメ抜きの号数(mm) |
|---|---|---|
| No.300 | 約4.6mm | 15号(4.5mm) |
| No.500 | 約6.9mm | 20号(6.0mm) |
| No.23 | 約8.6mm | 30号(9.0mm) |
| No.28 | 約12.5mm | 40号(12mm) |
※数値はクラフト社・協進エルの公表値です。
メーカーにより差があります。
表のとおり、ハトメ抜きの穴の大きさは、ハトメの内径の数字と必ずしも一致しません。
使うハトメに合うハトメ抜きはメーカーの対応表で確認し、心配なときは端切れで試し打ちしておくと安心です。
素材・色のバリエーション
素材は真鍮製が一般的で、そこにニッケルメッキやアンティーク調の加工を施した色違いの商品も多く販売されています。
作品の他の金具(バネホックやDカンなど)と色味を揃えると、仕上がりの統一感が出しやすくなります。
打ち方に必要な道具
ハトメの取り付けには、次の道具を使います。
- ハトメ抜き(穴あけポンチ):ハトメを差し込むための穴を革にあける道具
- ハトメ打ち具(内棒・打ち台のセット):ハトメの号数ごとに専用のものが必要
- 木槌またはハンマー:打ち具を叩いて金具を圧着させる
- ゴム板や当て木(台座):打つときに下に敷く土台
打ち具はハトメの号数ごとに専用品が異なるため、購入時にハトメ本体と対応する打ち具のサイズが一致しているかを必ず確認しておきましょう。

基本の打ち方、手順
位置決めと穴あけ
まず、ハトメを打ちたい位置に丸ギリなどで軽く印をつけます。
印をつけたら、ハトメ抜きを使って革に穴をあけます。
穴のサイズはハトメの軸の太さより少しだけ小さめにするのが基本です。
穴が大きすぎるとハトメが安定せず、圧着後にぐらついたり抜けやすくなったりします。
ハトメをセットして打つ
穴があいたら、表側からリング部分を差し込みます。
両面ハトメの場合はここで裏側に座金を重ね、片面ハトメの場合は座金を使わずそのまま次の工程に進みます。
打ち台の上にセットした状態で、内棒をハトメの穴に差し込みます。
木槌で、いきなり強く叩くのではなく、コンコンと軽い力で数回に分けて打ち込んでいきます。
最初から強く打ちすぎると、金具が変形したり打ち具から外れにくくなったりすることがあります。
力を抜いて少しずつ様子を見ながら打ち込むのが、失敗を防ぐ一番のコツです。
両面ハトメは座金の縁がめくれ上がらずリングとしっかり密着していれば、片面ハトメは足の部分が均等に開いてめくれ返っていれば、それぞれ圧着完了の合図です。

初心者がつまずきやすいポイント
打ち具のサイズ選びのミス
初心者がもっとも起こしやすい失敗が、ハトメの号数と打ち具のサイズが合っていないケースです。
サイズが合わない打ち具を無理に使うと、圧着が甘くなったり、逆にハトメの縁が潰れすぎて見た目が悪くなったりします。
ハトメと打ち具はセットで同じ号数のものを揃えるのが、もっとも確実な対策です。
位置決めの失敗
複数のハトメを等間隔に並べたいとき、目分量で印をつけると少しずつ間隔がずれてしまうことがあります。
型紙の段階で穴の位置に印をつけ、革に転写してから穴あけに進むと、ずれを防ぎやすくなります。
一度あけた穴は基本的にやり直しがきかないため、定規で採寸してから印をつける手間を惜しまないことが大切です。
革の厚みとの相性
革が厚すぎると、ハトメの足(リングの筒状の部分)の長さが足りず、めくれ返る量が不足して圧着が不十分になることがあります。
逆に革が薄すぎると、圧着したときの力で革が破れたり、穴の周りが波打つように変形したりすることがあります。

ハトメの価格帯
ハトメ本体は、100個入りのセットで160〜300円程度から販売されていることが多く、他の金具と比べても手頃な価格帯です。
座金・リングの色や仕上げ(真鍮・ニッケル・アンティーク調など)によって価格に幅があります。
専用の打ち具は号数ごとに500〜1,500円程度が目安で、複数サイズが4本セットになった商品では2,000円前後のものも販売されています。
頻繁に使うサイズが決まっている場合は、ハトメと打ち具を同時に揃えられるセットを選ぶと、サイズ違いのミスを防ぎながらコストも抑えられます。
まとめ
ハトメは、号数(サイズ)を革の厚みや通したい紐・金具に合わせて選び、専用の打ち具で少しずつ圧着すれば、大きな失敗は防げる金具です。
穴あけも圧着もやり直しがきかない工程なので、位置決めと試し打ちを丁寧に行うことが、結果的に一番の近道になります。
ハトメと似た金具であるカシメや、Dカン・ナスカンなど「繋ぐ」系の金具の種類・選び方については、別の記事で詳しく解説しています。
穴あけの基本は菱目打ちの使い方、穴あけの基本とコツで、留め具の金具についてはバネホックの付け方、初心者がつまずきやすいポイントで解説しています。


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