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レザークラフトの型紙の作り方、紙選びから革への写し方まで

木製の作業台に型紙用の紙数枚と銀色のペン、革のパーツが並べられ、型紙を作り革に写す作業を始める場面をイメージさせる情景

この記事の結論

  • 型紙用の紙は「コピー用紙・厚紙・クリアファイル・方眼紙」の4種類が代表的で、試作か、繰り返し使うか、直線・対称が多いかで選び方が変わる
  • 型紙の外周線(裁断線)と、菱目打ちで穴をあける線(ステッチライン)は別物で、外周線から縫う辺ごとに3〜5mm内側にステッチラインを引くのが基本
  • 革への転写は「目打ちで角に点を打ってつなぐ方法」と「型紙を固定してなぞる方法」の2通りがあり、銀面(表面)を傷つけない工夫が必要
  • 厚紙やクリアファイルの型紙は、作品名とサイズを書いておけば繰り返し使い回せる

キーホルダーやパスケース・カードケースのように、型紙なしでも作れる作品はいくつかあります。

ただ、作りたい形が複雑になったり、同じ作品をもう一度作りたくなったりすると、型紙があるかないかで作業の正確さがかなり変わってきます。

この記事では、型紙に使う紙の選び方から、革への写し方、よくある失敗まで、型紙まわりの疑問をまとめて整理します。

「型紙って結局どうやって作ればいいの?」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

型紙なしでも作れるのに、なぜ型紙を用意するのか

結論から言うと、型紙は「同じ形を正確に繰り返す」ための道具です。

キーホルダーのように四角や丸に近いシンプルな形であれば、定規とコンパスだけでも十分きれいに作れます。

しかし財布のマチや、左右対称のパーツが複数枚必要な作品になると、話は変わってきます。

フリーハンドや都度の採寸だけで作業すると、1枚目と2枚目でわずかにサイズが違う、といったズレが起きやすくなります。

型紙を一度作っておけば、そのズレの原因そのものをなくすことができます。

さらに、革の上に型紙を並べてから切ることで、革を無駄なく配置してから裁断できるというメリットもあります。

革は端切れになった部分の使い道が限られるため、裁断前の配置計画は材料費の節約にも直結します。

木製の作業台の上で、1枚のヌメ革の上に大小さまざまな形の紙の型紙を隙間なく並べて配置を検討している俯瞰の様子

型紙に使う紙の種類と選び方

型紙に使える紙は身近なものだけでも複数の選択肢があり、それぞれ得意な場面が違います。

まず試すならコピー用紙、形が決まったら厚紙に清書

「まずデザインを試してみたい」という段階では、家にあるコピー用紙で十分です。

コピー用紙は安く、思いついたらすぐ描き直せる手軽さが利点です。

ただし薄いため、何度も革にあてているうちに端がめくれたり破れたりしやすい弱点があります。

試作の段階を過ぎて「この形で決まった」となったら、ケント紙や厚手のボール紙のような厚紙に清書し直すのがおすすめです。

厚紙は適度な硬さがあるため、角をしっかり出せますし、何度革にあてても型崩れしにくくなります。

繰り返し使うならクリアファイル、直線・左右対称なら方眼紙

繰り返し使う型紙で扱いやすいのが、100円ショップでも手に入るクリアファイルです。

半透明なので、革の上に重ねたときに革の模様や傷の位置を見ながら型取りできるのが大きな利点です。

水に濡れても傷まないため、屋外で作業するときや、長期間保管したいときにも向いています。

直線や左右対称のパーツが多い作品なら、方眼入りの工作用紙(方眼紙)が便利です。

マス目に沿って線を引けるので、直角や平行線が驚くほど引きやすくなります。

左右対称のパーツを作るときも、方眼を基準にすれば定規だけで正確に対称形が描けます。

迷ったら、「一度きりの試作」はコピー用紙、「気に入って何度も作る型」はクリアファイルか厚紙と使い分けるとわかりやすいです。
方眼紙は、左右対称パーツや直線が多い作品を作るときに特に活躍します。

コピー用紙・厚紙・クリアファイル・方眼紙の4種類の型紙用の紙を横一列に並べた比較の俯瞰ショット

型紙の作り方、基本の手順

完成イメージを採寸してパーツごとに分解する

最初に、作りたいものの完成サイズを決めます。

例えばカードケースなら、収めたいカードの実寸に対して、上下左右にどれくらいゆとりを持たせるかを先に決めます。

次に、その完成イメージを表革・裏革・ポケットなど、実際に裁断するパーツごとに分解します。

1枚の型紙で作品全体をまかなおうとすると混乱しやすいため、パーツごとに1枚ずつ型紙を作るのが基本です。

裁断線とステッチラインを分けて描く

ここが型紙作りでいちばん間違えやすいポイントです。

型紙の外周線は、あくまで革を切り出す線(裁断線)を表しています。

菱目打ちで穴をあける線(ステッチライン)は、この外周線とは別に、内側に引く必要があります。

菱目打ちの記事でも触れているとおり、ステッチラインは縫う辺ごとに端から3〜5mm内側が目安です。

型紙の段階で外周線とステッチラインの両方を薄く描いておくと、実際に穴をあける位置で迷わずに済みます。

型紙の外周線=中に入れる物のサイズではありません。
外周線は「革を切る線」、そこから縫う辺ごとに3〜5mm内側の線が「縫う線」で、物が入る空間はさらにその内側になります。
この2本立てで考えるのが、型紙作りの基本です。

紙の型紙に外周の裁断線とその内側のステッチラインの2本の線が描かれ、定規と鉛筆が添えられている様子のクローズアップ

左右対称のパーツは半分だけ描いて折って写す

財布の外側パーツのように左右対称な形を描くときは、紙を半分に折ってから、片側だけ形を描く方法が確実です。

片側を描き終えたら、紙を折ったまま線に沿ってハサミで切り、開くと自動的に左右対称の型紙が完成します。

フリーハンドで両側を描こうとすると、どうしても左右で微妙な差が出てしまうため、対称パーツはこの「半分描いて折る」方法を覚えておくと安心です。

二つ折りにした紙をハサミで切っている手元のクローズアップ

型紙を革に写す方法(転写のコツ)

型紙ができたら、いよいよ革に写す作業に移ります。

目打ちで角に印をつけてつなぐ方法

型紙を革の上に置き、角(コーナー)の部分だけ目打ちの先端で軽く突いて、革に小さな印を残します。

型紙を外したあと、その印同士を定規でつないで線を引けば、直線的なパーツを正確に写し取れます。

直線が多いカードケースやパスケースのようなパーツに向いている方法です。

紙の型紙を革の上に押さえ、目打ちの先端で型紙の角に印をつけている手元のクローズアップ

テープや文鎮で固定してなぞる方法

曲線が多いパーツの場合は、型紙をマスキングテープで革に固定し、輪郭に沿ってそのままなぞる方法が確実です。

文鎮や重しを使って型紙を押さえながら作業すると、なぞっている途中に型紙がずれる心配が減ります。

なぞる道具としては、銀ペン(シルバーペン)が定番です。

革の専門店だけでなく100円ショップでも手に入り、線が水拭きなどで消しやすいため、なぞり損じても失敗をリカバリーしやすいのが特徴です。

芯が硬すぎないチャコペンシル(洋裁用)でも代用できるので、手元にあるものから試したい場合はこちらでも構いません。

このセクションで紹介した商品:SEIWA 銀ペン ボールペンタイプ

SEIWA 銀ペン ボールペンタイプ

SEIWA 銀ペン ボールペンタイプ
型紙を革になぞるときの定番、水拭きで消しやすいレザークラフト用の銀色ペン
¥440

※価格は記事執筆時点のものです。
購入前に最新価格をご確認ください。

なお、縫い合わせたときに表から見えない床面(裏面)であれば、鉛筆やボールペンでなぞっても問題ありません。

革の表面(銀面)に強い筆圧で線を引くと、消えない傷として残ってしまうことがあります。
できるだけ裏面(床面)に印をつける、もしくは軽い筆圧でなぞることを意識してください。

マスキングテープで革に固定した型紙の輪郭を銀色のペンでなぞっている手元の様子

型紙を使うときによくある失敗と直し方

ここでは、型紙づくりでつまずきやすいポイントと、その直し方を整理します。

外周線を内寸と勘違いして、入れたい物が入らなくなった

型紙の外周線を、カードや小銭を入れる内側の寸法(内寸)だと思い込み、ステッチライン分のゆとりを考えずに描いてしまうケースです。

外寸は外周線どおりに仕上がりますが、内側の空間は縫う辺ごとに3〜5mm狭くなり、入れたい物がきつくて入らなくなってしまいます。

対処法としては、入れたい物の寸法にゆとりを足した内寸を先に決め、そこから外周線を縫う辺ごとに3〜5mm分外側に描き直しておくことです。

すでに切ってしまった革は取り返しがつきませんが、型紙自体を修正しておけば同じ失敗を繰り返さずに済みます。

型紙が革の上でずれて裁断線が歪んだ

片手で型紙を軽く押さえただけで作業を進めると、なぞっている途中に型紙が動いてしまうことがあります。

結果として、直線のはずの辺がゆるやかにカーブしてしまうような歪みが出ます。

マスキングテープで型紙の数か所を革に固定してから作業すれば、このズレはほとんど防げます。

特に長い辺があるパーツほど、テープでの固定を省略しないことが仕上がりを左右します。

革の上に紙の型紙がマスキングテープで数か所しっかり固定されている様子の俯瞰ショット

厚みのある革で型紙通りに折れなかった

マチ部分など折り曲げる箇所がある型紙をそのまま厚い革にあてると、紙の型紙のようにきれいに折れ曲がってくれないことがあります。

これは紙と違い、革には厚みと反発する力があるためです。

折り目の位置をあらかじめ型紙に記録しておき、革に転写したあと、ヘラの背などで折り目に軽く筋を入れておくと、思い通りの位置で折りやすくなります。

筋を入れすぎると革の繊維が傷んでしまうため、あくまで軽くなぞる程度にとどめておきましょう。

型紙は保管して使い回すべきか

一度作った型紙は、捨てずに保管しておくことをおすすめします。

同じ作品をプレゼント用にもう一つ作りたくなったときや、サイズだけ変えて別の色の革で作りたくなったときに、型紙があれば作業時間を大きく短縮できます。

厚紙やクリアファイルの型紙には、作品名・完成サイズ・作った日付を油性ペンで書き込んでおくと、後で見返したときに迷いません。

100円ショップのクリアポケットファイルにまとめて保管しておけば、パーツごとにバラバラにならず、次に使うときもすぐ取り出せます。

型紙が増えてきたら、作品カテゴリ(キーホルダー・財布・パスケースなど)ごとにファイルを分けておくと管理がさらに楽になります。
年に数回しか作らない型紙でも、迷子にならず見つけられるようになります。

透明なクリアポケットファイルに型紙が数枚ずつまとめて収納され、棚に並べられている様子

まとめ

型紙は「同じ形を正確に繰り返す」ための道具であり、複雑な形や左右対称パーツを作るほど、その価値が大きくなります。

紙選びは試作ならコピー用紙、繰り返し使うなら厚紙かクリアファイルと覚えておくと、買い足す紙で迷う場面が減ります。

紙の種類ごとの特徴を、以下の早見表にまとめました。

紙の種類耐久性直線の引きやすさ向いている場面
コピー用紙低い(数回で破れやすい)普通デザインの試作・アイデア出し
厚紙(ケント紙・厚手のボール紙)高い高い(硬さで線がぶれにくい)繰り返し使う定番パーツの型紙
クリアファイル高い(水にも強い)普通革の模様を見ながら型取りしたいとき
方眼紙(方眼入りの工作用紙)中程度非常に高い(方眼で直角が出しやすい)左右対称パーツ・直線の多い作品

型紙作りは地味な作業に見えますが、一度きちんとした型紙を作っておけば、その後の裁断・穴あけ・縫いの精度がまとめて上がります。

まずは作りやすいキーホルダーで型紙作りの手順を試してみて、慣れてきたらミニ財布・コインケースのような複数パーツの作品にも挑戦してみてください。

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この記事を書いた人

レザークラフトの道具・技法・作品づくりを初心者目線で整理して伝える編集担当です。道具の選び方や工程のポイントを比較・整理して、わかりやすく届けることを心がけています。

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