この記事の結論
- ミニ財布・コインケースは、2〜3枚のパーツを重ねて縫う、初めての立体作品として適した難易度
- 材料費の目安は、ヌメ革とバネホックをあわせて1,600〜3,000円程度
- 平面作品と違い、縫う前の仮止め(ボンドや目打ちでの固定)が仕上がりを左右する
- コバの厚みが均一になるよう、パーツを重ねた状態で一緒にコバ処理するのがコツ
複数のパーツを縫い合わせるミニ財布・コインケースは、平面作品の次のステップにあたる難易度です。
この記事では、平面作品から一歩進んだ「立体作品」の考え方と、初めてでも作りやすいコインケースの手順を紹介します。
平面作品と立体作品の違い

キーホルダーのような平面作品は、1枚の革を折って縫うだけで完成します。
一方、ミニ財布やコインケースといった立体作品は、本体・マチ・内側のポケットなど、複数のパーツを組み合わせて縫い合わせる点が大きく異なります。
パーツ数が増える分、裁断のわずかなズレが縫い合わせの段階で目立ちやすくなるため、平面作品よりも1つ1つの工程を丁寧に進める必要があります。
難易度は上がりますが、その分、完成したときに「自分で立体的なものを作れた」という達成感も大きくなります。
作り方の手順
パーツの裁断

コインケースの場合、本体1枚・内側のポケット1枚程度のシンプルな構成から始めるのがおすすめです。
厚紙で型紙を作り、それぞれのパーツを型紙通りに裁断します。
この段階でパーツの端がずれていると、後で縫い合わせたときに段差ができてしまうため、型紙に忠実に、まっすぐ切ることを特に意識しましょう。
縫い合わせ(コバ処理含む)

裁断したパーツを重ね、縫う前にボンドや目打ちで軽く仮止めします。
この仮止めをせずにいきなり縫い始めると、菱目打ちで穴をあけている最中にパーツがずれてしまい、立体作品ならではの失敗につながりやすくなります。
パーツがしっかり固定できたら、菱目打ちで穴をあけ、サドルステッチで縫い合わせていきます。
コバ処理は、パーツを縫い合わせて重なった状態のまま、まとめてやすりがけと磨きを行うと、厚みが均一に整い、段差の目立たない仕上がりになります。
仕上げ
蓋の留め具として使う場合は、バネホックを取り付けて完成です。
バネホックの位置決めは、蓋を実際に閉じた状態で印をつけると、閉じたときにぴったり合う位置を確認しながら作業できます。
材料費の目安は、ヌメ革のはぎれとバネホックをあわせて1,600〜3,000円程度です。
作業時間は、慣れていても2〜3時間程度を見ておくと余裕を持って進められます。
初めての立体作品でつまずきやすいポイント

立体作品で特につまずきやすいのが、パーツを重ねたまま菱目打ちで穴をあける工程です。
1枚だけのときと違い、下のパーツまで力が伝わりにくく、穴が貫通しきらないことがあります。
力任せに叩くのではなく、少し多めの回数に分けて、下のパーツまで確実に貫通しているか都度確認しながら進めるのが安全です。
材料費の内訳ともう少し詳しい選び方

1,600〜3,000円という材料費の内訳を具体的に見てみます。
- ヌメ革のはぎれ:A4サイズ程度で1,000〜1,500円前後(本体・内側ポケット2〜3パーツが取れる量)
- バネホック:1組あたり100〜200円程度
- 革用ボンド:1本500〜800円程度だが、1本で数個〜十数個分は使える
革の厚みは、本体を1.5〜2.0mm、内側のポケットを1.0mm前後にすると、外側はしっかりした強度を保ちつつ、内側は折り曲げやすく、重ねて縫っても厚みが出すぎません。
すべて同じ厚みで揃えてしまうと、重なった部分が硬くなりすぎて、菱目打ちでの穴あけがかなり力のいる作業になってしまいます。
実際に起きやすい失敗の実例

立体作品ならではの失敗として多いのが、ポケットパーツの表裏を逆に重ねてしまうケースです。
菱目打ちで穴をあけた後に気づくと、糸を全部ほどいてやり直すことになるため、縫い始める前に一度、実際に小銭やカードを仮に入れてみて向きを確認しておくと安心です。
もう1つ多いのが、ボンドの乾燥を待たずに菱目打ちを始めてしまう失敗です。
乾ききっていない状態で穴をあけようとすると、パーツ同士がずれたり、ボンドが穴の中にはみ出して糸の通りを悪くしたりします。
ボンドの製品によって乾燥時間は異なりますが、目安として10〜15分程度は置いてから、指で押してもずれないことを確認してから作業を再開しましょう。
まとめ
ミニ財布・コインケースは、複数のパーツを扱う分、平面作品より工程は増えますが、仮止め・重ね穴あけ・まとめてのコバ処理といったコツを押さえれば、初めてでも十分作りきれます。
使う革の種類によっても仕上がりの表情は変わるため、経年変化を楽しみたい方は、ヌメ革を使ってみるのもおすすめです。



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